大学の学部紹介 ④文学部
定期連載している大学の学部紹介。
今回は文学部について紹介します。
文学部とは、人間の文化やあり方について問題視し、探究する学部です。
主に3つのグループに分けられます。
⑴文学・言語
国内、あるいは国外(アメリカ・イギリス)の古典から現代にいたる文学作品、作家、表現の特色などを研究対象としています。
言語学では文字表現の構造や方言などの、言葉を対象に様々な角度から特色を掘り下げていきます。
⑵歴史・地学
歴史学では主に日本の歴史を題材に、歴史上の人物や文化などに焦点をあて、史料を土台に研究を行います。地学は現地のフィールドワークを行い、その地域の特徴や文化の変遷を分析していきます。
⑶思想・文化
哲学・宗教学科では、東洋・西洋の哲学や宗教について知識を深めていきます。先人の教えを礎とし、異文化理解と現代社会の問題解決能力の向上を図ります。
文化学科では、祭りや儀礼、東西の思想、生活スタイルに始まり、アニメや漫画といった「文化」と称される人間の営みを研究対象としています。
国立の文学部は少なく、私立では多くの大学で設置されている学部です。(後述)
そのため、私大で文学部を選択する際は、きちんと下調べが必要になってきます。
例えば、「中古文学に興味があり、その中でも紫式部や清少納言の作品について学びたい!」という人は、オープンキャンパスやパンフレットで自分が学びたい分野を研究対象としている教授の在籍やゼミナールの活動の有無を確認しなければなりません。
そのため、1・2年次の間に興味関心のある大学に目星を付け、大学主体のイベントに参加するようにしましょう。
文学部では主に①教員(国語・社会)、②学芸員、③図書館司書の資格が取得できます。
大学の必修単位と並行して①~③のいずれかの資格を取得するための授業を選択するかたちになります。もちろん、資格を持っていても一般企業に就職する人もいます。
▽国公立大
・東京大 (文学部・人文学科)
・千葉大 (文学部・人文学科)など
(文教育学部・人文社会学部などの形でなら他の大学にもあります)
▽私大
・法政大学
文学部から派生した学科が多く設置されている。
文学部・日本文学科、英文学科、史学科。地理学科、哲学科、心理学科
・國學院大
文学科の中に中国文学科、外国語文化学科が設置されている。
・青山学院大
文学部の中に英米文学科、フランス文学科、比較芸術学科が設置されている。
・国士舘大
文学部の中に、教育学科(中等教育、初等教育)がある。
その他多数の大学で文学部が設定されています。
③で確認したように、文学部の中でも学科は大学ごとに多岐に渡る。
そのため、前述した自身の興味関心のある分野を研究対象としている教員・ゼミを確認すると同時に、試験科目に古文・漢文が出題範囲かどうかも併せてチェックしよう。
(例1)東京大学・文科三類(文学部)を志望
⇒ 現代文+古文+漢文(各設問の回答は全て記述)
(例2)法政大学で日本文学科志望
⇒ 現代文+古文・漢文を含む
(各設問の回答は選択+1部記述を含む)
英文学科志望
⇒統一日程入試は古文・漢文を含まない
しかし、後期の個別日程では古文が含まれる
(例3)明治大学で文学部志望
⇒学部別入試で、古文・漢文が範囲に含まれる
このように、大学によって記述を課したり、問題の形式が共通テストのように選択式で統一されていたりと、出題の仕方も様々です。
記述が含まれる場合は、評価される読解の要点がつかめているかを確認するための問題なので、自身の理解度を測るために、積極的に過去問に取り組みましょう。
もし、自身の回答に釈然としない、選択肢に確証が持てない場合は、ぜひ担当講師に質問してください。